『2×09 6/1×』
今日から日記を書こうと思う。
理由はいじめだ。
これから何かされたときに証拠になるようにするため書いていく。
将来あいつらが一番幸せな時にこれを突き出して
人生を終わらせる。
『2×09 7/2×』
放課後に校舎裏に呼び出すとかいつの時代だ。
顔がキモイ、存在がいらないと三人掛かりで袋にされた。
相手は大田、村尾、青木
『2×09 10/1×』
金を出さないとユウもいじめると言われた。
あいつらゲス野郎だ。
断ったらぼこられた。
毎回思うがあいつらは顔はバレるからと体ばっか攻める。
卑怯なクズだ。
相手は大田、青木
『2×09 12/0×』
今日は女子もいた。
袋にされた後踏まれたり、服脱がされたりした。
タバコも押しつけられた。
今も痛い。
跡になるかもしれない。
でもこれで証拠が出来た。
相手は青木、村尾、大田、夏目、浜中、古河
「これ……」
「酷い……」
私達はただ愕然とした。
私は知らないことが多すぎた。いや、自分を正当化するために知らないふりをしていただけだった。
気づいてはいた。ただここまで酷いとは思わなかった。
「携帯かして。今度は俺が読む」
私は躊躇なくテクノ君に携帯電話を渡した。きっと私の表情をみて、何か察したんだろう。そう思った。
『2×10 1/×5』
三学期になった。
まあ学期をまたいでも
いじめは変わらない
変わったと言えば
最近ユウが変だ
今日は俺に声かけてきた
絶交したはずなのに
『2×10 1/2×』
やっぱりユウがおかしい。
朝電車で声をかけられたけど
ユウが一回居眠りした後に
何か変な目で見られた。
なんだったんだか
『2×10 2/0×』
最近里中が優しい。
何か胡散臭い。
『2×10 2/1×』
里中はいい奴だった。
俺をかばってくれた。
「ここらへんからあんまりいじめのことは書いてないな」
「みたいね」
そう言ってテクノ君は日記をどんどん見ていった。
「あ〜、私ちょっとトイレ〜」
「うん。いってらっしゃい」
ノリがトイレに行った後も、私とテクノ君は日記を見続けた。
『2×10 3/×9』
里中が北村を連れてきた。
それで一緒に帰った。
北村も俺のこと心配してくれた。
『2×10 3/2×』
最近学校が楽しい。
「うーん。これと言って目立つことは書いてねえなあ」
「みたいね」
「後少し、日記が残ってるから、それに期待するしかないな」
期待か……。
少し考えてしまった。私が期待しているのはサンノ君の自殺の真実。でも、何か違うものまで暴いてしまいそうな気がしたからだ。
「じゃ、続き一気に見ちまうぞ」
「うん」
『2×10 4/0×』
今日は里中と北村とゲーセンに行った。
こんな楽しかったのは久しぶりだ。
それにしても、
ユウがおかしい。
俺に話かけてくるし、
名前を呼んでも
俺はユウじゃないって言う。
からかってるなら
いい加減にしてほしい。
『2×10 4/×2』
明日、里中と北村と遊びに行く。
映画とか。
楽しみだ。
『2×10 4/×3』
殺す。殺してやる。
信じた俺がバカだった。
「な、何かあったみたいね……」
「それがハムラの自殺の原因かもしれないな」
「……だとしたら、サンノ君の自殺の原因も分かるかも……」
さっきの考えと裏腹に、私の中に淡い期待が生まれた。
『2×10 5/0×』
ユウがいきなり
お前を苦しみから助けてやる
って言ってきた。
何のことだ?
『2×10 5/0×』
里中が死んだ。
クラスの奴の話だと、
裏サイトで鬼が出たらしい。
わけが分からない。
ユウの言ってたことはこれなのか?
『2×10 5/×2』
ユウが北村を殺した。
「えっ……」
「なっ!?」
私とテクノ君はもう一度文面を読み返した。
『ユウが北村を殺した。』
そこには確かにそう書かれていた。
「ど、どういうこと……?」
私はわけが分からなくなった。あんなに優しかった、サンノ君が、殺人?
私のそのかき乱れた感情は、やがて真実を知りたいという好奇心へと変わった。
「……続きがあるみたいだ。委員長、心の準備はいいか?」
「……うん」
こうして、私達は真実へたどり着いた。