16.終わらない惨劇

 また一人、また一人と鬼が生まれていく。一人は友達を守るために精神を侵しながら、また一人は責任感から……。
 全く持って俺の思った通りに動いてくれる。
 俺は、このクラスの全てを壊したかった。壊して、壊れて、崩壊して、その後に残るものを見たい。ただそれだけのために。
 別に自分がおかしいやつだとかそういう自覚がないわけじゃない。でも、わかるだろう?性欲のように自分の中でやりたいものがあるとき我慢できない感情を。
 もっと、もっと楽しませて欲しかった。だが、そんな時、サンノ、つまり鬼が死んでしまった。
 これは誤算だった。これでは俺の楽しみが消える。だから俺はさらなる崩壊のための複線を張ることにした。
 言うなれば、死んだ鬼の復活。鬼がサンノだと言うことは、その時は俺しか知らない事実だった。まあ、あの三人が真実を知るのは時間の問題だったが。
 それを坂手に取り、俺は鬼を装い裏サイトのチャットに書き込んだ。
 思惑通り、鬼が復活したと騒ぎが起きた。ここでもう一つ、更に鬼の復活に信憑性を持たせるため、三人を襲った。
 これで、伏線は出来上がり。責任感の強い委員長が真実を知れば、復讐を始めるのは明白。後は自動的鬼が出来上がり、全ては一つに繋がる。

『運営:鬼さん様がログインしました。』

 さあやってきた。俺を楽しませるための駒が。

『鬼さん:やあ。こんばんは。』

 きっとみんなはこの鬼は偽物だと思っているだろう。だが、これから始まる恐怖を知るのは俺だけだ。
「ふっ。くかかか」
 さあ始めようぜ。裏サイトを巡るこの殺人劇を。

『鬼さん:ゲームスタート』